今日は岡田教諭による特別IA。
「ここがすごい!スリランカ」と題して、岡田教諭もサリーで授業に登場です。
岡田教諭は、2年間スリランカの現地の学校で教鞭をとっていましたが、
そのときはずっとサリーだったそうです。(それがスリランカのスタンダードです。)
まず質問!
「スリランカの食事といえば?」
「カレーライス!」
では、スリランカのかレーに欠かせないものは?
「カレーリーフ」「スパイス」・・・確かにどれも欠かせませんが、「スリランカ」カレーの特色といえば・・・
そう、「ココナッツミルク」です。いわゆる「ヤシの実」、シンハラ語では「ポル」といいます。
今日は、「ポル」と呼ぶことにしましょう。
さて、「ポルは全くすてるところがない」と言われます。
1本の木から、年間に100個ものポルが取れるそうなのですが、今日はそのポルがどのようにスリランカ人の生活に使われているのかを学びます。
まずは、スリランカカレーに欠かせない「ココナッツミルク」が作られるまでの過程を、映像で確認します。
まずは「ポル」をとるところから。
男性がスルスルと木に登っていき、ポルを一個一個落としていきます。
取ったら、皮をむき・・・割って中の甘~いジュースを抽出したら、
さらに挽いて粉にして・・・最後に水を加えます。
岡田教諭の一連の動作もさすがに手馴れています。
最後過程は映像を通して・・・ココナッツミルクのできあがりです。
さて、今日の本題は実はここからです。
「ポル」は、ココナッツミルクだけでなく、その皮や木、葉っぱまですべて、人々の生活に利用されています。
では、どのように・・・?
「凧」「屋根」「おもちゃ」など、いろいろな意見が子どもたちから出ます。
実は、下の写真のように、ほうきや花壇のブロックがわり、そしてゾウの体をこするタワシや子どものおもちゃなど、
本当に人々の生活に密着したところで使われていることがわかります。
葉っぱも、木の幹も、皮も、すべてが生活の中に役立てられていることがわかりました。
ちなみに、こんなところにも・・・
スリランカ人の生活の知恵を知ったところで、
コロンボ日本人学校の子どもたちも、実際にポルを使った道具を作ってみることに!
小学部1年~4年は、割ったポルを粉に削る体験です。
独自の器具を使って、削っていきます。
削られたてのポルは、まだ少し水分を含み、綿のように真っ白です。
食べてみると、ほんのり甘い食感が、何とも言えません。
5年生以上~中学部は、少し難しいコースターづくりに挑戦。
ポルの葉っぱを網の目に編んでゆきます。
見てください。ポルの葉っぱがきれいな格子模様のコースターに変わってゆきます。
最後は端っこを織り込んで完成です。
一方、低中学年は、殻ぽっくり作りにも精を出しています。
なつかしいですね。子どもの頃、よく遊んだあの遊具。国は違っても、こういうところの発想は万国共通なのだと感じさせられます。
本当に、ポルはすべての部分が生活に利用されていることが実感できました。
しかし、日本にも、「竹」や、畑の肉と呼ばれる「大豆」など、私たちの生活の広い範囲重宝されているものはありますね。
楽しく体験を行った後、岡田教諭から子どもたちに語りかけます。
先日、協力隊の飯野隊員に講師として来ていただいたときにも学習しましたが、
スリランカでは、ごみの分別収集もまだまだすすんでおらず、ごみもすべて自分の家で処理をしなければならないところが多いそうです。
ですから、物を大切に使うし、壊れれば直して何度も使うというのが一般的です。
ビンなどにしても、何度でも洗って大切に使うそうです。
「使い捨て」の商品が広く浸透している日本で暮らす日本人にとっては、学ぶべきところがたくさんありそうです。
でも、日本にはすぐれた技術力があります。壊れないモノづくりの技術は、世界の最先端と言ってもいいでしょう。
私たち日本にも、誇れるものはたくさんあるのです。
スリランカ人は、よく外の国から来た私たちに、「スリランカはどうだい?」と問いかけてきます。
「ホンダイ(いいね)」と答えると、みんな誇らしげな笑顔を見せてくれます。
「私たちも、『日本って、こんなところがすごいよ』と胸を張って語れるような日本人になってほしい」
という岡田教諭の最後のお話は、心にスッと入ってきました。
「世界に誇れる日本人」になるために、これからももっともっと、スリランカと日本のすごいところを見つけていきましょう。
とてもためになるIAの授業でした。
(おまけ)授業後もコースターづくりに黙々と励む高学年児童たち。