コロンボ日本人学校

「光り輝く島」スリランカにある日本人学校

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21日

越村先生 IAの時間

今回の越村先生のIAの時間は、JOCV(青年海外協力隊)の隊員として、スリランカで「環境教育」を専門に活動されておられる、飯野様を講師にお迎えして行われました。

テーマは Let’s think society!

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まずは、国際社会で活躍している人にはどんな人がいるか考えます。

子どもたちからは、スポーツ選手、技術者、画家、多国籍企業、日本人学校の先生などの意見が挙がりました。 今日の講師の飯野様も青年海外協力隊として国際社会で活躍されています。

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飯野様の自己紹介の中で、青年海外協力隊に参加された動機をお話いただきました。「自分の経験を生かしたい」、「世界に視野を広げたい」とありました。今日は国際社会で活躍されている方のお話を実際に聞かせていただく貴重な機会であり、また将来の進路について考える機会にもなったのではないかと思います。

 

飯野様から、まず青年海外協力隊の活動について説明からしていただきました。日本はODAとして世界の途上国に対してお金や技術の面で支援をしてきています。その途上国と日本をつなぐ仕事をしているのがJICAで、その技術支援の活動の一つに、青年海外協力隊の活動があります。世界の様々な途上国で青年海外協力隊の活動が行われていることがわかりました。スリランカで活動されている隊員さんは45名、「村落開発」、「農業」、「映像」、「スポーツ」、「教育」、「健康」などなど様々な分野で技術支援をされているそうです。

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飯野様がデヒワラ市役所でされている「ゴミ処理」についての支援活動の説明をしていただきました。

世界中で問題となっているごみ問題。ここスリランカでも、経済発展に伴うごみの増加が問題になっています。ごみ収集のしくみやごみ処理施設などの課題を解決していくために、日々活動されているそうです。

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日本からの中古のごみ収集車で、黄色い服を着たおじさんが一軒一軒の家を回る。これがデヒワラのごみ収集の方法です。

ごみの分別、リサイクルはほとんどできていないのが現状だそうです。集められたごみは、東京ドーム約3こ分の面積の埋め立て地に埋め立てられます。

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そこで、生ごみなどの自然分解されるごみとその他のごみとを分別してごみを出すよう、各家庭一軒一軒を回り指導されたり、コンポストの活用をすすめたりする活動をされているそうです。

各家庭を回り指導する活動をはじめられた当初は、訪問先の住人の方に理解してもらえずうまくいかないことも多かったとか。しかし、今では、4・5名の市の職員が協力してくれるようになり、一緒に巡回し、住人に理解してもらいやすくなったそうです。日本では誰もが知っているごみの分別のルールでも、スリランカで一から説明しながら普及していくのは大変なご苦労があることだと思います。「一人ででも家を回って活動しているのがすごい」という子どもの感想も聞かれました。

各家庭でごみを出す前に生ごみを分別することで、ごみ収集をした後に、市の職員がそのほかのごみの中からリサイクル可能なものをさらに分別する作業がしやすくなっているそうです。

こういった地道な取り組みを進めることが、ごみ処理や環境に対する国民の意識を変えていくことにつながるのだということがわかりました。

そして、飯野様がご自分の経験を振り返り重要だったこととして挙げられたのが、「職場の人や住民とのコミュニケーション」でした。「何度も」、「納得いくまで」、「いろんな人と」コミュニケーションをとっていくことで、支援活動の道を切り開くことができたそうです。子どもたちが将来、社会の中で活躍していくために大切なことを教えていただきました。

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ここからは、グループ活動です。   飯野様のお話を聞いたことも参考にして、これからの世界に必要だと思うことを話し合いました。

ここは、上学年がリードをしながら話し合いを進めます。これまでに学習したことや見聞きしたことのあることを思い出しながら、意見を出し合っていました。

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各グループからは、食糧、水、発電所、3R、衛生、ごみ処理、健康な生活、交通ルールなどについての支援活動が挙がりました。

飯野様のお話やスリランカの現状を考えて出された意見も多かったように思います。

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最後に飯野様より、2011年の東日本大震災の際にスリランカから義援金や紅茶の支援があったことのお話がありました。スリランカのような特別に豊かではない国からも支援をしてもらえたこと。

それは、日本が支援をしてきたことが喜ばれていることの表れでもあります。「助け合い」、「人とのつながり」の大切さや温かさを感じました。

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今日のIAではたくさんの社会的事象にふれることができました。

社会で活躍するために大切なヒントがたくさん見つかったのではないかと思います。

ぜひ、飯野様のお話を自分に置き換えて、「自分には何ができるか」、「自分だったらどうするか」と考えていってほしいと思います。